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リハビリブログ

膝蓋骨脱臼(膝のおさらの脱臼)

2020-08-10
PT/AT 臼井 友乃
こんにちは。
例年ですと各競技全国レベルの大会が開催され、新聞のスポーツ欄を賑わせている時期ですが、今年は本当に残念です。今後、競技を続ける人も、進学や就職を境にやめてしまう人もいらっしゃるかと思いますが、スポーツや身体を動かすことは大事です。定期的に運動をする機会を作ってもらいたいと思います
(◍•ᴗ•◍)♡ ✧*。ヨロシクオネガイシマス
 
今回は膝蓋骨脱臼の症例をご紹介します。
膝蓋骨(おさら)脱臼は10歳代に多く発生し、生まれつき脱臼しやすい素因を持っていることがわかっています。ジャンプの着地時に受傷することが多く、再脱臼の可能性も高いことから、外科的治療(手術)を選択することも稀ではありません。保存的治療(手術をしない)を選択した場合、再脱臼率は44~75%と報告されています。
治療については、一般的には脱臼後2~3週間は固定します。保存的治療の場合は、復帰までに特に決まりがあるわけではありません。最低2カ月といわれていますが、再脱臼を防ぐためには、痛みや膝の可動域制限がなくなることはもちろん、本格的な復帰は太ももの筋力が回復するまで我慢が必要です。
 
今回紹介しますCさんは、当院受診するまでに、ジャンプ着地で2回、ウォーキング中1回の計3回、すでに膝蓋骨脱臼を繰り返していました。さすがに今回は痛みがひどかったらしく、当院の整形外科を受診したようです。2週間ギプス固定し、ギプスカットした日からリハビリを開始しました。2カ月くらいで、腫脹・痛み・不安感などの症状は消失しましたが、筋力がしっかり回復するのに3ヵ月、動作の獲得に5カ月ほどかかりました。Cさんの受傷のきっかけもジャンプ着地であることから、安全なジャンプ着地動作の獲得が必須でした。
 
着地動作は、
  1. しっかり股関節・膝関節が曲がっていること。
  2. 重心が後ろにならないこと。
  3. 足先の方向に膝が向いていること。
などを確認しました。以下に詳しく説明します。
 
1、しっかり股関節・膝関節が曲がっていること。
しっかり膝が曲がっていると、膝蓋骨は大腿骨(太ももの骨)の溝の間にはまりこむので、脱臼しにくくなります。ただし、太ももの筋力が弱いとしっかり膝を曲げた状態で着地できません。
2、重心が後ろにならないこと。
重心が後方になった状態で着地をすると、膝蓋骨には強く大腿骨に圧迫する力が加わります(上の図参照)。スクワットをする時に、重心を後方にわざとしてみてください。おさらに強い圧迫力を感じるはずです。この部分にある関節は、軟骨で覆われていますが、脱臼の際に傷ついてしまっています。強い圧迫力は痛みや変形の原因になることがあります。着地の際は、前方に重心を置くように注意しましょう。
3、足先の方向に膝が向いていること。
足先の方向と膝の曲げる方向を一緒にするためには、技術が必要です。実は着地の瞬間、膝は内側に入り、X脚のようになります。着地動作で好発するような怪我をする選手は、この膝が内側に入る動きが大きいことが分かっています。膝の靭帯損傷もその一つです。
 
今後、膝蓋骨再脱臼を予防するだけでなく、他の急性外傷予防対策を講じるためにも、着地動作を総合的に分析し、効率的・効果的な着地方法を獲得することが望まれます。
 
 
ケガをした側の筋力の回復は、なかなか自然には戻りません。
写真は、筋力を測定しているところを映しています。
筋力はサイベックスと呼ばれる機械で、数値で表して回復の度合いを判断できます。
Cさんの膝を伸ばす筋力は、81NM⇒ 94NM ⇒ 121NM と順調に向上していきました!
 
5カ月間、週に1回通院したCさん。ちょうどコロナ感染の関係により、マスクをした状態でのリハビリで、キツさは倍増したと思いますが、医師から終了OKサインがでるまで心折れずに通ってくれました。送り迎えをされた親御さんも大変だったと思いますが、医師から「レントゲンも正常に戻っており、再脱臼のリスクは低い」と、太鼓判を押してもらえました( T_T)\(^-^ )
 
Cさんの感想
次の日は必ず筋肉痛になるくらい毎回キツいリハビリでしたが、先生方があたたかく接してくださるので、楽しみながらリハビリをすることができました。長くても通い続けることができたのは、優しい先生方のおかげだと思っています。
 
医療法人社団 豊正会
大垣中央病院
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