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リハビリブログ

成長期のケガ②(オスグッド病)

2021-10-14
こんにちは。理学療法士兼アスレティックトレーナーの臼井友乃です。火曜日のスポーツ外来の担当をしています。緊急事態宣言が解除され、部活にクラブに少年団に一生懸命に取り組んでいることと思います。
先回の私の担当ブログでは、人により成長の度合いが違い、成長スピードに合わせた対応が必要という話を書きました。今回は、成長期の身体の特徴やケガの状況について書きたいと思います。

まず、骨は成熟過程にあり、カチカチの骨が出来上がる前段階である軟骨という成分が多く、わずかな力であっても反復することで正常な成長過程を阻害する要因になってしまいます。筋肉や腱は、大人と比べて柔軟性はありますが、骨と比較して成長が遅いため、急に身長が伸びたりすると筋肉や腱の長さが足らず、引っ張られて相対的に硬くなってしまいます。筋肉や腱が硬いような柔軟性の低下は、筋肉・腱が骨に付着する部分(骨端軟骨)の障害発生につながります。
成長期に障害が発生しやすい代表的な部分を図1にしました。
図1 代表的成長障害
今回は、図にもあります「脛骨粗面骨端症」、別名「オスグットシュラッター病」を発症したA2さんをご紹介します。
太ももの前面にある大腿四頭筋という膝を伸ばす時に働く筋肉は、膝蓋骨(おさら)を介して膝蓋腱としてすねの前にある脛骨粗面(骨端軟骨)に付着しています。大腿四頭筋は、ジャンプやストップなどの動作時に強く働き、未成熟な脛骨粗面に反復して引っ張るストレスをかけます。このストレスで骨が浮き上がってくるのがオスグッド病のメカニズムです。整形外科などでレントゲンを撮ると、脛骨粗面の骨のでっぱりが確認されます。この部分を圧迫すると痛いのが特徴です。初期では、レントゲンでの骨変化は確認されない事もあるためMRIなどが診断に活用されます。
図2は、A2さんが当院へ初めて来院されたときのレントゲンです。
図2 両足の脛骨粗面がはがれかかっています。
原因として、大腿四頭筋の柔軟性の低下、足首の硬さ、動作時に後方重心だったり、膝がX脚のように内側に入ることがあげられます。

どのようにこれらをチェックするかというと、
図3
うつ伏せになり、かかとをお尻につける。抵抗感が強かったり、お尻に踵がつかなかったり、おしりが浮いてしまったりすると硬いと判断されます。
図4
しゃがみ込みしようとすると踵が浮いてしまっています。かかとを浮かさずに、しゃがみ込みができないと足首が硬いということです。
図5
骨盤が後ろに倒れ、背中が曲がっているようにみえます。重心が後方にあるため、大腿四頭筋は強い収縮力が必要となり、脛骨粗面がひっぱられます。
図6
膝が足より内側に入るとおさらの骨と脛骨粗面をつないでいる膝蓋靭帯にひっぱりの力がかかります。
図7 オスグッドバンド
図8 バドミントンフットワーク
治療は、オスグッドバンドという装具を装着し、競技を続けながら痛みが治まるのを待ちました(図7)。
A2さんはバドミントン選手で、右足を前に出し体重をかけるフットワークが多いですが、A2さんは右足より後ろ足である左足の治癒に時間を要しました。左足は素早く右足を元の位置に戻すために、足先を残すようにフットワーク指導されており、足先が外側に残ってしまっていました(図8)。①のように前に出した右足を、②のように体に引き寄せるには、左足の強い力が必要です。このプレイの反復が原因と考え、足先をひっかけないよう指導しました。


一旦痛み消失したのですが、体育のマット競技で後転したところマットをはみ出し床に膝から着地し、痛みを再燃させました(強く打撲して、ほとんど消失していた痛みが元に戻ってしまうことは多いので要注意です)。結局、小学校6年生の7月から中学1年生の9月現在まで通院しています。最近の検査では、筋力の左右差は完全になくなり、復帰できそうです。

実はA2さん、5年生の時に身長が10㎝以上伸び、そのころから痛みを我慢していたそうです。当院受診した時には、歩行や階段昇降など日常生活に支障があるほどひどくなっていました。オスグッド病のような成長痛を起こしやすい人の特徴としては、練習量多いことは勿論ですが、性格的にも無理をしてまで頑張る、痛みに無頓着で放置する、疲労回復に無関心などもあげられます。自分の体の悲鳴を聞き逃さないでいただきたいものです。
医療法人社団 豊正会
大垣中央病院
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