骨折後の膝が曲がらない
2022-01-08
こんにちは。理学療法士の長野浩充です。
日本では現在、オミクロン株が広まりつつあり、感染者数も少し増加傾向にありますが、スポーツ活動は以前に比べて行われています。プロスポーツの観戦者も増えています。とても喜ばしいことで、当たり前の事が幸せに感じられるようになっています。スポーツはその人の人生を豊かにすると思っています。スポーツによってケガをして、スポーツをあきらめる事になってしまうことはとても残念でしかたありません。スポーツ選手に限った事ではないのですが、理学療法士の仕事は、その人の人生の今後を左右すると言っても過言ではないくらいの責任あるものと思っています。可能な限り、あきらめずに治療していくこと、努力を惜しまないことを続けていきたいと思います。
さて、今回の選手を紹介します。
日本では現在、オミクロン株が広まりつつあり、感染者数も少し増加傾向にありますが、スポーツ活動は以前に比べて行われています。プロスポーツの観戦者も増えています。とても喜ばしいことで、当たり前の事が幸せに感じられるようになっています。スポーツはその人の人生を豊かにすると思っています。スポーツによってケガをして、スポーツをあきらめる事になってしまうことはとても残念でしかたありません。スポーツ選手に限った事ではないのですが、理学療法士の仕事は、その人の人生の今後を左右すると言っても過言ではないくらいの責任あるものと思っています。可能な限り、あきらめずに治療していくこと、努力を惜しまないことを続けていきたいと思います。
さて、今回の選手を紹介します。
Kさん 30歳代男性 競技:野球
診断名:大腿骨外後顆骨折
担当セラピスト:長野
Q. 大腿骨外顆骨折とは?
A. 大腿骨にひねりを伴った強力な負荷がかかることによって起こる骨折です。骨折部のズレが小さい場合は、保存療法を選択。ズレが大きい場合は手術療法となります。受傷後は膝を曲げる角度が狭くなったり、痛みが残ることが多いです。
リハビリ内容・セラピストの感想
Kさんは社会人野球の試合中にフライを取ろうとして右足を出したところ、捻ってしまい大腿骨(ふとももの骨)の後外側を骨折しました。(写真①)

数日後に手術を施行され、ギプス固定となりました。関節内の骨折ということもあり、安静期間を長く設ける必要がありました。積極的な曲げ伸ばし訓練や体重をかける訓練は約3週後から開始となりました。その後、約6週後には歩けるようにまで回復したため退院し、以後外来リハビリを現在も継続中です。膝が曲がる角度の推移(図1)をみるとかなり角度の回復は緩やかで、過去の症例報告などをみても、健側と同じような角度を獲得できたという報告は少ないです。

現在、私たちのリハビリでは膝の角度の改善を目的に、主に太ももや膝のお皿回りの組織の癒着(くっつき)や硬さを取るストレッチやリラクゼーション(写真②)、重りにより持続的に関節に負荷をかけること(写真③)を重点的に行っています。


この日のリハビリ前の膝の曲がりは103°、膝の伸びはー13°、リハビリ後の曲がりは108°、伸びはー8°と屈伸ともに5°程度の改善がみられました。(写真④)

膝周囲の軟部組織は、受傷や長期の固定により予測よりも癒着がかなりひどく、角度の改善に苦労しています。しかし、毎回のリハビリの少しの改善を積み重ねる事によってより大きな角度を獲得できるようにがんばっています。また、筋力低下も著しいため、筋力訓練や動作訓練を通して、将来的にはスポーツ復帰が可能と考えています。時期的に3月の社会人リーグ再開の頃の復帰を目標としていますが、現段階では少し遅れています。Kさんは毎日のように来院されとても努力されています。今後もKさんと一緒に努力を積み重ねていきたいと思います。3月にまた良い報告ができるように精一杯リハビリしていきます。

成長期のケガ②(オスグッド病)
2021-10-14
こんにちは。理学療法士兼アスレティックトレーナーの臼井友乃です。火曜日のスポーツ外来の担当をしています。緊急事態宣言が解除され、部活にクラブに少年団に一生懸命に取り組んでいることと思います。
先回の私の担当ブログでは、人により成長の度合いが違い、成長スピードに合わせた対応が必要という話を書きました。今回は、成長期の身体の特徴やケガの状況について書きたいと思います。
まず、骨は成熟過程にあり、カチカチの骨が出来上がる前段階である軟骨という成分が多く、わずかな力であっても反復することで正常な成長過程を阻害する要因になってしまいます。筋肉や腱は、大人と比べて柔軟性はありますが、骨と比較して成長が遅いため、急に身長が伸びたりすると筋肉や腱の長さが足らず、引っ張られて相対的に硬くなってしまいます。筋肉や腱が硬いような柔軟性の低下は、筋肉・腱が骨に付着する部分(骨端軟骨)の障害発生につながります。
成長期に障害が発生しやすい代表的な部分を図1にしました。
先回の私の担当ブログでは、人により成長の度合いが違い、成長スピードに合わせた対応が必要という話を書きました。今回は、成長期の身体の特徴やケガの状況について書きたいと思います。
まず、骨は成熟過程にあり、カチカチの骨が出来上がる前段階である軟骨という成分が多く、わずかな力であっても反復することで正常な成長過程を阻害する要因になってしまいます。筋肉や腱は、大人と比べて柔軟性はありますが、骨と比較して成長が遅いため、急に身長が伸びたりすると筋肉や腱の長さが足らず、引っ張られて相対的に硬くなってしまいます。筋肉や腱が硬いような柔軟性の低下は、筋肉・腱が骨に付着する部分(骨端軟骨)の障害発生につながります。
成長期に障害が発生しやすい代表的な部分を図1にしました。

図1 代表的成長障害
今回は、図にもあります「脛骨粗面骨端症」、別名「オスグットシュラッター病」を発症したA2さんをご紹介します。
太ももの前面にある大腿四頭筋という膝を伸ばす時に働く筋肉は、膝蓋骨(おさら)を介して膝蓋腱としてすねの前にある脛骨粗面(骨端軟骨)に付着しています。大腿四頭筋は、ジャンプやストップなどの動作時に強く働き、未成熟な脛骨粗面に反復して引っ張るストレスをかけます。このストレスで骨が浮き上がってくるのがオスグッド病のメカニズムです。整形外科などでレントゲンを撮ると、脛骨粗面の骨のでっぱりが確認されます。この部分を圧迫すると痛いのが特徴です。初期では、レントゲンでの骨変化は確認されない事もあるためMRIなどが診断に活用されます。
図2は、A2さんが当院へ初めて来院されたときのレントゲンです。
太ももの前面にある大腿四頭筋という膝を伸ばす時に働く筋肉は、膝蓋骨(おさら)を介して膝蓋腱としてすねの前にある脛骨粗面(骨端軟骨)に付着しています。大腿四頭筋は、ジャンプやストップなどの動作時に強く働き、未成熟な脛骨粗面に反復して引っ張るストレスをかけます。このストレスで骨が浮き上がってくるのがオスグッド病のメカニズムです。整形外科などでレントゲンを撮ると、脛骨粗面の骨のでっぱりが確認されます。この部分を圧迫すると痛いのが特徴です。初期では、レントゲンでの骨変化は確認されない事もあるためMRIなどが診断に活用されます。
図2は、A2さんが当院へ初めて来院されたときのレントゲンです。

図2 両足の脛骨粗面がはがれかかっています。
原因として、大腿四頭筋の柔軟性の低下、足首の硬さ、動作時に後方重心だったり、膝がX脚のように内側に入ることがあげられます。
どのようにこれらをチェックするかというと、

図3
うつ伏せになり、かかとをお尻につける。抵抗感が強かったり、お尻に踵がつかなかったり、おしりが浮いてしまったりすると硬いと判断されます。

図4
しゃがみ込みしようとすると踵が浮いてしまっています。かかとを浮かさずに、しゃがみ込みができないと足首が硬いということです。

図5
骨盤が後ろに倒れ、背中が曲がっているようにみえます。重心が後方にあるため、大腿四頭筋は強い収縮力が必要となり、脛骨粗面がひっぱられます。

図6
膝が足より内側に入るとおさらの骨と脛骨粗面をつないでいる膝蓋靭帯にひっぱりの力がかかります。

図7 オスグッドバンド

図8 バドミントンフットワーク
治療は、オスグッドバンドという装具を装着し、競技を続けながら痛みが治まるのを待ちました(図7)。
A2さんはバドミントン選手で、右足を前に出し体重をかけるフットワークが多いですが、A2さんは右足より後ろ足である左足の治癒に時間を要しました。左足は素早く右足を元の位置に戻すために、足先を残すようにフットワーク指導されており、足先が外側に残ってしまっていました(図8)。①のように前に出した右足を、②のように体に引き寄せるには、左足の強い力が必要です。このプレイの反復が原因と考え、足先をひっかけないよう指導しました。
一旦痛み消失したのですが、体育のマット競技で後転したところマットをはみ出し床に膝から着地し、痛みを再燃させました(強く打撲して、ほとんど消失していた痛みが元に戻ってしまうことは多いので要注意です)。結局、小学校6年生の7月から中学1年生の9月現在まで通院しています。最近の検査では、筋力の左右差は完全になくなり、復帰できそうです。
実はA2さん、5年生の時に身長が10㎝以上伸び、そのころから痛みを我慢していたそうです。当院受診した時には、歩行や階段昇降など日常生活に支障があるほどひどくなっていました。オスグッド病のような成長痛を起こしやすい人の特徴としては、練習量多いことは勿論ですが、性格的にも無理をしてまで頑張る、痛みに無頓着で放置する、疲労回復に無関心などもあげられます。自分の体の悲鳴を聞き逃さないでいただきたいものです。
実はA2さん、5年生の時に身長が10㎝以上伸び、そのころから痛みを我慢していたそうです。当院受診した時には、歩行や階段昇降など日常生活に支障があるほどひどくなっていました。オスグッド病のような成長痛を起こしやすい人の特徴としては、練習量多いことは勿論ですが、性格的にも無理をしてまで頑張る、痛みに無頓着で放置する、疲労回復に無関心などもあげられます。自分の体の悲鳴を聞き逃さないでいただきたいものです。

肘の靭帯損傷
2021-10-02
こんにちは。理学療法士の長野浩充です。
私は、理学療法士として様々な病気やケガ、人生を経験している方々と触れ合っています。もちろん性格も違います。そのため、情報をなるべくたくさん聴取して、その人にあったリハビリを提供するように心がけています。また、患者さんから学べる事は多く、探求心をもって仕事に励んでいます。これからもそのスタンスは変えずに、患者さんとの出会いを大切にしていきたいと思っています。
さて、今回の選手を紹介します。
D君 10歳代男性 競技:ハンドボール
診断名:肘内側側副靭帯損傷
担当セラピスト:長野
Q. 肘の内側側副靭帯損傷とは?
A. 肘の内側の靭帯(写真①)が部分断裂もしくは完全に断裂した状態です。野球選手のようなオーバーハンドスポ―ツに多いケガです。投球動作を反復して、内側の靭帯が引っ張られ続けて肘への負担が大きくなり、断裂することがあります。また、肘に強い外反力が加わることで、損傷することもあります。保存療法では、治療期間はおよそ3ヶ月程度、手術療法は完全復帰に約1年程度かかることもあります。
リハビリ内容・セラピストの感想
O君は、ハンドボールの練習中、相手のシュートブロックに入った時に、ボールに手がはじかれ、肘が外へ反り返ってしまったため、肘の靭帯をケガしました。靭帯は、骨と骨をつなぎ関節を形作っています。また靭帯には関節の可動域を制限する働きもあり、今回損傷した肘内側側副靭帯は主に肘関節の外への動きを制限する働きをします。O君は、ケガをしてから2週間ギプス固定をして、靭帯を安静に保ちました。その後、リハビリが開始されました。ギプスが外れた直後は、肘関節の動きが悪く、関節が硬くなっていたため、靭帯に負荷を加えないように可動域訓練中心に行いました。現在は、受傷後5週経過しましたが、肘の可動域は健側と同様になってきました。筋トレは損傷した肘の靭帯の負荷を軽減させるための筋肉(尺側手根屈筋、浅指屈筋)を鍛えるトレーニングを主に行っています。(写真②③)
O君は、ハンドボールの練習中、相手のシュートブロックに入った時に、ボールに手がはじかれ、肘が外へ反り返ってしまったため、肘の靭帯をケガしました。靭帯は、骨と骨をつなぎ関節を形作っています。また靭帯には関節の可動域を制限する働きもあり、今回損傷した肘内側側副靭帯は主に肘関節の外への動きを制限する働きをします。O君は、ケガをしてから2週間ギプス固定をして、靭帯を安静に保ちました。その後、リハビリが開始されました。ギプスが外れた直後は、肘関節の動きが悪く、関節が硬くなっていたため、靭帯に負荷を加えないように可動域訓練中心に行いました。現在は、受傷後5週経過しましたが、肘の可動域は健側と同様になってきました。筋トレは損傷した肘の靭帯の負荷を軽減させるための筋肉(尺側手根屈筋、浅指屈筋)を鍛えるトレーニングを主に行っています。(写真②③)


また投球時には肩の可動域が悪いと肘の靭帯の負荷が増大すると言われており、D君には肩の硬さもみられたため(写真④)、肩のストレッチも行っています。(写真⑤)
さらに今回受傷した時のシュートブロック時の肩と肘をしっかりと固定する筋トレも行っています。(写真⑥)


まだ、時期的に靭帯は完全に治ってはいないため、靭帯に負荷をかけすぎないように注意しながらトレーニングを慎重に行っていくことが重要になります。今後はブロック時の筋肉の使い方や筋肉の反応速度を高めるようなトレーニングも追加していき、再発予防に努めていきたいと考えています。さらに復帰の前には下半身・体幹などのトレーニングも追加していき、万全の状態で競技復帰できるようにリハビリしていければと思います。

最後の大舞台直前の骨折、手術、リハビリ
2021-08-04
スポーツ担当の秋田です。オリンピックが日本で開催され、毎日テレビで日本の応援をしていますが、どんな競技でも応援に力が入りますね(^^)/同時にコロナがどこまで影響してくるのか心配ですが、無事に開催されて一先ずよかったと思っています(^^♪
さて、今回紹介するのは、当院外来通院中の、某高校のやり投げの選手です。
競技歴は3年目で、高校総体県予選間近で肘頭疲労骨折を受傷しました。
肘頭骨折とは?
肘の裏にある肘頭という部分の骨折です。

肘頭骨折は直接肘をぶつけて骨折したり、肘の裏の筋肉に強く引っ張られることで骨折することが多いとされています。スポーツでは肘頭が疲労骨折することもあり、繰り返しストレスがかかることで骨折する場合もあります。骨の治りが悪いと予想される時や、スポーツに早期復帰を望む時に、手術療法を選択されることもあります。治癒には一般的に3~4ヶ月かかるといわれています。
やり投げの特徴
重量は男子の場合800g、女子の場合600gの比較的軽い棒状の投てき物をいかに遠くに飛ばすかを競う競技です。障害部位は、肘、肩、腰に多いと言われており、肘に関しては、内側側副靱帯損傷、上腕骨の上顆炎が多いとされています。
一連のやり投げ動作はスティックピクチャーのようになり、脚から最終的に腕へと力を伝えるため、下半身の影響も受けやすいとされています。赤丸が肘にストレスがかかるタイミングです。

症例紹介
やり投げの練習中に右肘に痛みが出現し、当院でレントゲンを撮ったところ、肘頭の疲労骨折が見つかりました。早期復帰を望み、肘の手術を受けて、リハビリが開始となりました。

術後間もなく、痛みがある中で、高校総体県予選を目前に控えていることもあり、なるべく骨折部にストレスをかけないように配慮しつつ、積極的な可能域訓練や筋力強化訓練、フォームチェックを実施しました。術後1ヵ月で大会本番があったため、術後3週間目からテーピングを巻いて少しずつやり投げを開始していきました。万全な状態ではないため、当日まで本人も不安だったと思いますが、結果としては見事県予選を1位で優勝し、その後東海大会を通過する事ができ、高校総体本戦に挑むことができるので、本当に良かったと思います!
骨折線が残存する中、東海大会では自身最高記録を出すほど、強心臓の持ち主なので、高校総体本番が楽しみです(‘ω’)
まだ本番まで少し時間があるので、可動域や筋力改善、痛みの除去に努めて、100%の力が発揮できるようにサポートできたらと思います。
リハビリ内容
①、②は肘でタオルを潰すトレーニング(初期~中期)
③腕立て伏せ(中期~後期)




足の小指の骨折
2021-07-14
こんにちは。理学療法士の長野浩充です。
オリンピックがもうすぐ開催されますね。前代未聞のコロナ渦での開催ということで、どんなイベントになるのか想像もつきませんが、不安半分、楽しみ半分といったところでしょうか。日本という国や人を信じたいと思います。
私は、ブログを書く時に、感動したスポーツ選手の名言を毎回紹介してきました。今日からは私が日々感じていることや大切にしていることを書いていこうと思います。
理学療法士は、患者様に触れ、会話し、治療をする仕事です。入院や外来、訪問の患者様、若年者から高齢者の方まで幅広い年齢の方と接しているのですが、最近よく思うのは、大事なことは今の状態がどれだけ悪いかということではなく、今の状態からどれだけ前に進もうとしているかだと思います。病気やケガをしてしまった方は、今現在の状態を受け入れられず、悩み、将来の不安を強く感じます。しかし、自分のためにそこから少しずつ必ず前を向かなければなりません。どんな重い病気やケガでも受け入れ、前を向いている方は良い人生を送れると思いますし、周りの人を幸せにする力があると思います。理学療法士は患者様が前向きな気持ちになるようにサポートしていく仕事でもあると感じています。
では今回の選手を紹介したいと思います。今回のケガは私もケガしたことのある足の小指の骨折です。
Oさん 10歳代女性 競技:薙刀(なぎなた)

診断名:第5中足骨骨折 担当セラピスト:長野

Q. 第5中足骨骨折とは?
A. 足の小指の骨折の事です。別名Jones骨折です。足を内側にひねったときに小指に急激な負荷がかかり骨折します。骨が疲労して骨折することもあります。骨折部位は血流が乏しく、骨がくっつきにくく、偽関節(折れた骨がくっつかずに異常な関節を形成してしまうこと)になりやすいだけでなく、いったん治っても再骨折しやすいという特徴をもっています。早期に確実な復帰を必要とするアスリートにおいては手術が選択される事が多いです。競技復帰にかかる期間は、保存療法では約3ヶ月、手術療法では約2ヶ月です。
リハビリ内容・セラピストの感想
Oさんは今回、薙刀(なぎなた)の部活中ではなく、学校の体育のバトミントン中に小指の骨を骨折しました( ゚Д゚) 骨がくっつき始めるまでギプス固定を2週間しました。そのため足首は硬くなり、お尻や太もも、ふくらはぎの筋肉はやせ細ってしまいました。ギプスが外されてからは骨のくっつきを妨げないように、ストレッチや筋力訓練を行い、徐々に柔軟性や筋力を取り戻していきました。
しかし、1ヶ月が経った頃に、部活中に足首を何度もひねってしまい、骨折部に痛みを再発させていました。レントゲン上、骨のくっつきがみられなかったため、部活動を痛みがない範囲で行うように指導しました。その後、痛みをみながら足首を捻らないような筋力訓練(写真①)やつま先からの踏み込み訓練(写真②)、ステップ練習(写真③)を集中的に行いました。踏み込み動作訓練は通常かかとから接地するのですが、薙刀の競技特性上、つま先接地で行ないました。



そして競技再開には必ず、骨折した小指が巻き込まれないようにするためのテーピングとアンクルクロスを徹底して行うように指導しました。写真はOさん自身でテーピングを巻いたものです。かなり上手になっています(^^♪(写真④)
現在は、多少の痛みは残存していますが、骨はレントゲン上でくっつきを認め、テーピングをして全力で競技に取り組むことができています。競技中に足首をひねることもなくなりました。今回、折れた骨がなかなか順調にくっついてこなかった原因として、大会が近かったため、筋力が回復していない状態で競技復帰を中途半端にしてしまったことが考えられます。パフォーマンスも低下していました。またOさんに足首をひねると再骨折をする可能性があるとしっかり伝えきれていませんでした。ひねるリスクがある状態(筋力が不十分な状態)で競技復帰をしてしまったことは良くなかったと思います。
今は骨折する前から痛みがあったシンスプリントのケアをしながら競技を続けている状態ですが、前向きに全力で競技に参加することができているためホッとしています。そして大会の報告を聞いたり、将来の話なども話したりするようになり保護者のような気持ちになっています。(笑) 良い形で、リハビリを終えられるように今後もサポートしていきたいと思います。
Q.当院のスポーツリハビリはいかがでしたか?
A. 早くケガを治すために、色々なトレーニングや対策を一緒に考えて下さり、安心して競技を続ける事ができたので、とてもよかったです。
